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TW2シルバーレインに登場するキャラ 銀・狼貴と谷繁・碧のキャラブログです

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風二つ(前編)

鉄:背後がチャットを二日連続寝オチしたんで罰としてかかせた俺主役のSSだ。
テーマは特にないんで、よろしく。

ジングルベルの音が響き、あちこちでセールが実施される。
そんな賑やかなクリスマスムード一色の街路を、歩く二つの影がある。
「クーリスマスが今年もやーってくる、と」
一人はロングコートに身を包んだ長身長髪の男だ。
軽く定番のクリスマスソングを歌いながら、歩いている彼の隣に並ぶのは、ふわふわのコートに、マフラーを着た小柄な女性。
どことなく嬉しそうに息を弾ませて彼女は男に並んで歩いていく。
「ねね、徹也君。どこはいろっか」
「そーだなー…カレーってのもねぇな。リリー、ファミレスでいいか?」
「うん、いいよー。」
和気藹々とした様子で二人は今夜のメニューを話している。
男の名前は鉄・徹也。少女の名前はリリー・ティグリス。
二人は、この冬から付き合いだしたばかりだ。
二人とも、特に女性が奥手であることもあり、手をつないだのも数えるほど。
デートに誘おうと思ってもどうにもうまく誘う言葉が出ない。
ただ、そんな二人でも特に気にせず相手を誘うことができる機会がひとつあった。
食事だ。
徹也もリリーもそれほど料理がうまくない。徹也は「焼けば食える」を地でいくし、リリーの料理はいまだ練習中だ。
なお、リリーの料理については味覚破壊兵器だという噂があるが、今のところ真実は定かではない。
だから、外食というのは、二人で出かける絶好の口実だった。
ただ、問題といえば……
「ステーキ食べるぜ、ステーキ」
「グラタンがいいなー」
彼らにこれを一種のデートと考える意識がひとかけらもないことだろう。
もっとも、それが彼ららしいのだろう。

全国展開はしていないちょっとマイナーなチェーン店の1つに入ると二人は各々食事を頼む。
徹也はステーキとサラダにご飯のセット、リリーはエビグラタンに、パンとスープのセット、そして牛乳。
「そういえば、徹也君、徹也君」
「ん?」
メニューを店員に伝えたところで、リリーがちょいちょいと手を振る。
「あのさ、徹也くんはいつごろこっちに出てきたの?」
「編入したのは、去年の冬だぞ」
「あ、うん、そうじゃなくって。」
それはこっちにおいといてー、と手で荷物をどけるようなそぶりをとるリリー。
「里から出てきたのってどのくらいになる?」
ああ、と合点がいったように徹也が声をあげる。
こうしてファミレスで食事をとっている二人だが、元をただせば共に現代では失われたとされる職の修行を重ねている。
すなわち、忍者。
「そーだな、でもどういったもんかな?」
「え、どういうこと?」
「最初に出てきたのは、12年前なんだが、仕事で出てきたのは2年前で、実は1年前なんだよ」
「え、どゆことどゆことー??」
不思議そうな顔で興味津々に徹也の顔を覗き込む。
「あー、つまりな。」
そういうと、徹也は解説を始めた。
彼が里の外に出た、という意味では12年前、子供のときに父に連れてこられたというのが正しいらしい。
ただ、そのときはまだ忍びとしての修行は行っておらず、ただ麓にある父の仕事場に連れてこられただけだった。
そして2年前、仕事の請負で都会に出てきて初仕事を行った。それが出てきたという意味では一番近く、外食などをするようにもなったのがその頃だという。
ならば1年前というのは何かというと、関東にやってきたのはその頃が初めてらしい。仕事は主に西日本側で受けていたそうだ。
「へー!へー!へー!」
ひとしきり感心するリリーを見て、徹也は快活に笑う。
「で、リリーのほうは?」
「んー、と私のほうはね。去年の秋くらいだったかな?」
リリーは自分のふるさとのことを語る。
リリーの出身である里は、どうやら心温まる田舎であったそうだ。その里にすむ皆が一家一丸となって目的に向かうという。
また、リリーは故郷に、ペットを置いてきてるそうだ。
「ペット?」
「うん、クラージュっていってね」
そこまで話したところで、店員が頼んでいたメニューを運んできた。
一度話を中断し、店員がメニューをおいていくのを待つ。
ごゆっくりどうぞ、と声をかけて離れていく店員。
「よし、食べるか」
「おー! ぐらたん!ぐらたん!」
はふはふと互いに食事を冷ましながら食べていく。
「うっめぇー」
がつがつとステーキを口に入れていく徹也に対し、リリーはちょっと悩んでから、ナプキンを持った手を伸ばした。
「徹也くん、お口」
「ん? わぷ」
ごしごし、とナプキンで徹也の口を拭く。
「………」
「……えへへ」
なんだか気恥ずかしくなって黙ってしまう徹也に、リリーはちょっとだけくすぐったさを感じつつ、微笑んだ。
黙ったまま頬が赤みを増す。
何とかその場を取り繕うと、徹也は、一度食事を止めながらたずねる。
「あー、えーっと、そ、それでそのペットって言うのは? 猫とか犬とか?」
「ううん、あの子は虎だよ」
「…トラ?」
トラ。ネコ目ネコ科ヒョウ属。主として大型の傾向があり、夜行性ではあるが昼間にも活動し、群れは形成せず縄張りをもって活動する。その勇猛さや危険性から数々の故事にその名前が出てきている。
「っていう、あのトラ?」
「うん。白虎。うちの風習でね。修行を始める前にパートナーになる動物を選んで、その子と一緒に修行するんだ」
さすがに学園はともかく都会に虎を放すわけにもいかなかったので、置いていったが、そうでなければリリーはクラージュと一緒に過ごしたかったそうだ。
「へぇぇ……」
獣の力を扱う牙道忍者ならではの風習といったところか。確かに年月を共に暮らした獣というのは心強い味方だろう。
「それで、クラージュは今どうしてるって?」
「うん。おじいちゃんとかが世話してくれるんだ」
たまに葉書などで連絡が届くらしい。今年は既に冬眠の準備に入ったようで丸々太っているそうだ。
「ほほう、うーん、ペットってのは俺にはいないからなぁ」
徹也の修める忍術というのは、根本の部分はリリーと近いところがあるように思うのだが、どうも育ち方が特殊だったらしい。
口寄せや忍犬といった何かを自分の力として扱うという部分は失伝されているのだ。
代わりに、彼の場合は特に肉体技能と、遁術といった技術的な部分に集中している。リリーの場合は、本人の不得手もあるが、接近戦での戦術といかに敵を襲撃するかに集中しているようだ。
「何か飼うといいとおもうよ。懐かれるとすっごく嬉しいんだよ」
もぐもぐと、エビグラタンを食べるリリーを見てると、なんとなく彼女が自分にとってのネコのようにも思えてくる徹也。
だが、それは口には出さずに、手を伸ばす。
「ま、もう少し落ち着いたらそれも考える」
エビグラタンを食べる彼女の髪をそっと梳く彼に、今度はリリーが赤面する番だった。

「ありがとうございましたー」
店員の声を背後に、二人がレストランから出たのは9時を過ぎたころだった。
「さて、んじゃ軽く汗でも流して帰るか」
「ボウリングとかー、カラオケとかー?」
定番だろう若者の楽しみを並べるリリーに、徹也が振り向かないまま答える。
「いや、確かこのへんにバッティングセンターが」
「おおー!」
その発言はどうなんだろうと、周囲の人間が思わず聞き耳を立てた。

目的地であるバッティングセンターに到着したのは、15分ほどあとだった。
ただし、1つ訂正しなければいけない。
そこは、バッティングセンター跡地だ。それも、何か心の奥底に潜む恐怖を呼び返すような寒気をまとった。
「…徹也くん、質問。前に来たの、いつ?」
「半年前、だったかな」
二人の顔が真剣みを増す。
二人はこの寒気に覚えがあった。それは、よく知るもの。能力者として。
ゴーストタウン。
今の所は世界結界がこの場所に人を寄せ付けないようにしてるのか、血の匂いは濃くはない。
だが、いずれ。犠牲者を増やしていくだろう。
「……どうする、徹也君。数は少ないと思うけれど」
普段とは違うキリッとした目つきで問う。
「そうだな、……リリー。腹ごなしの運動ってことで、いくか?」
声には、肯定のしぐさと、駆け出す姿勢で返事がくる。
リリーに続いて、駆け出しながら、徹也は懐からカードを取り出す。
闘志充填。
暗い闇をはらむ入り口に駆け出しながら、リリーは、前方に手首の返しでカードを投げる。
決戦準備。
投げ出したカードが走るリリーの元へと回転に沿ってもどってくる。
侵攻開始。
入り口へと駆けながら、カードを手に受け取ったリリーが顔の前に掲げ、声を張り上げた。
「「──イグニッション!!」」
一瞬の光と粒子の爆発とともに、二人の忍者が闇夜に出陣する。

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